「記事の大量生産は可能ですか?」という相談は、弊社へ頻繁に寄せられます。また、SEOの戦略として記事の大量生産を考えている一方で、品質の低下やユーザー満足度の低下につながる可能性に不安を感じている方もいるでしょう。まずお伝えしたいのが、記事の大量生産は一見SEOに有利に見えますが、その実態はより複雑なものだということです。そのため、必ずしもマッチしているとは言い切れません。そこで、迷ってしまったときに考えるべきは、以下の2点だけで良いです。大前提である『ユーザーのための価値の提供』にマッチしているか大量生産が戦略としてマッチしているかこの記事では、SEOで記事の大量生産が向いているかを判断する「特定の条件」に加えて、どのような影響が考えられるかを、弊社の事例(サーチコンソールのデータ)を用いて解説します。最後まで読んでいただければ、SEOへの影響やリスク、どのような状況であれば有効なのかを理解でき、その知識をもとに戦略を選択できるでしょう。まずは、大前提として守らなければならない『ユーザーのための価値の提供』から解説します。記事の大量生産で大前提となる『ユーザーのための価値の提供』最初にお伝えしたいのは、ユーザーのための価値の提供がSEOコンテンツの大前提であり、基本だということです。このことは、Google公式サイトにも明記されています。検索エンジンでのランキングを上げることではなく、ユーザーにメリットをもたらすことを主な目的として作成された、有用で信頼できる情報を検索結果の上位に掲載できるように設計されています。引用出典:有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 | Google 検索セントラル | ドキュメント | Google for Developersこれまで、SEOにおける目的や要点、そして戦略に至るまで、時代や技術の進展によって変わってきました。その都度、小手先の技術や効果的な戦略が話題となり、「順位向上!」「アクセス爆増」などとの謳い文句によって無数のアプローチが生まれたことでしょう。しかし、よく挙げられる技術的な最適化や、効果的とされるトリックを使って一時的にランキングを上げる方法は、順位を高めるアプローチの1つにすぎないものです。そのため、大前提となる基本の『ユーザーのための価値の提供』が守られていなければ順位を高めることもできません。もちろん、大前提を何も考慮しないものであっても、条件さえそろえば一時的にインデックスされて上位を獲得できることはあります。しかし、弊社がこれまで何度も見てきたのは、最終的にはユーザーにとって有益な内容を提供するサイトが長期的に高い評価を受けるという結果です。このように、SEOの取り組みを行う際には、常にユーザーのニーズや求める情報を考慮し、それを満たす内容の提供という基本が求められます。したがって、記事の大量生産を行うとしても、『ユーザーのための価値の提供』という大前提を守る必要があるでしょう。次に考えたいのが、大量生産が戦略としてマッチしているかです。記事を大量生産が戦略としてマッチしている『ケース』記事を大量生産する場合、先述した基本に加えて、戦略としてマッチしている『ケース』は以下のとおりです。ニッチな領域で競合他社も少ない領域大量生産に向いているメディアSEO基盤を築き上げたいスタート期ニッチな領域で競合他社も少ない領域第一に、記事の大量生産の条件として、ニッチな領域かつ、競合他社の少なさが挙げられます。なぜなら、大量生産によって検索エンジンのインデックスに多く登録され、結果的にSEOの観点から有利になる可能性があるためです。例えば、弊社の事例では、情報の少ない領域へ一定のトピッククラスターモデルを形成し、およそ93記事を公開しました(企業名等は伏せます)。結果、2022年11〜12月あたりのインデックスから現在(10月)に至るまで、上位をキープしています。※別途、弊社サービス「AI原稿作成プラン『ゲンコウ』」でも同様の結果が得られています。もちろん、一定の品質が必要となるものの、そもそも参考となるコンテンツが少ないことからスピードを重視して作成し、その後に調整という戦略も取れます。そのため、ニッチな領域で競合他社は少ないケースでは、大量生産が役立ちます。大量生産に向いているメディア第二に、大量生産に向いているメディアであるほど、その効果も高くなります。具体的には、以下が挙げられるでしょう。速報性が求められるニュースサイトやブログ一部のアフィリエイトサイトやレビューサイト更新性のある教育関連のコンテンツサイトコンテンツのアーカイブやデータベースサイトまた、トレンドに応じて速報性・更新性のあるコンテンツも素早く生産する必要があるため、方向性としてはマッチしやすいです。さらに、更新性のないコンテンツであっても、アーカイブ・データベースなどに大量生産が向いています。こうしたメディアの特徴はわかりやすく、大量生産の戦略向けか判断しやすいケースです。SEO基盤を築き上げたいスタート期最後に、SEO基盤を築き上げたいスタート期のケースも挙げられます。SEO記事の大量生産は、スタート初期で一定数の記事を投下し、検索キーワード(主にクラスター)の傾向を見ておきたいというケースにも活用可能ですし、少しでも成果を早めたいから大量生産を実施するということもあります。「ニッチな領域で競合他社も少ない領域」でも触れた事例では、スタートから1つのトピッククラスターを組み上げて領域でのチェックを実施しました。もちろん、こうしたスタートでの検証というケースでは、5〜10本のみを特定の検索キーワードだけで公開したり、小さいクラスターを20本に絞って試してみたりしています。ただ、一定の費用をかけて一定の領域で一気に作り込むには大量生産が向いています。ここまで紹介したように、「ニッチな領域で競合他社も少ない領域」「大量生産に向いているメディア」「SEO基盤を築き上げたいスタート期」に該当するケースは検討してみても良いでしょう。では、SEO記事を大量生産するメリットやデメリットは何があるのか、具体的に解説します。SEO記事を大量生産するメリット記事の大量生産には、以下のメリットがあります。サイトやブログの規模を拡大できる:記事を多く作成すればするほど、サイトやブログに掲載されるページ数が増えます。 これにより、サイトやブログの規模が拡大し、検索エンジンからの評価も高まります。また、多様なトピックやキーワードでの記事を提供できれば、広い層のユーザーをターゲットにすることも可能です。キーワードを多く獲得できる:記事を多く作成すればするほど、キーワードも多く含まれます。 これにより、様々なキーワードで検索される可能性が高まります。加えて、大量の記事を持つことで、サイトのコンテンツが充実し、訪問者にとっての情報価値も高まります。更新頻度を高められる:記事を多く作成すればするほど、更新頻度も高まります。 これにより、サイトやブログが常に新鮮であることを示し、検索エンジンからの評価も高まります。さらに、定期的に新しい記事を提供することで、ユーザーの再訪率を高めることも可能です。SEO記事を大量生産するデメリット一方で、記事の大量生産には、以下のデメリットもあります。品質が低下する:記事を多く作成すればするほど、品質にかける時間や労力が減ります。 これにより、文章や画像などの品質が低下し、検索エンジンからの評価も低下します。また、管理、更新する必要が生じ、運営の手間やコストが増えることもあるでしょう。重複や被リンクが増える:記事を多く作成すればするほど、同じような内容やキーワードが重複しやすくなります。 これにより、検索エンジンから重複コンテンツと判断されたり、被リンク率が低下したりします。ユーザーの満足度が下がる:記事を多く作成すればするほど、ユーザーのニーズや期待に応えられない記事も増えやすくなります。 これにより、ユーザーの満足度や信頼度が下がり、離脱率が上がります。ユーザーが求める情報を見つけにくくなることも少なくありません。こうしたメリット、デメリットがあることを踏まえて、SEOで記事の大量生産を行うポイントを解説します。SEOで記事の大量生産を行うポイント記事の大量生産を行う場合は、以下のポイントに注意してください。ユーザーのニーズに応えて品質を保つSERPsの重複は避けるユーザーのニーズに応えて品質を保つ記事を多く生産する際、品質を犠牲にすることは避けましょう。 記事を多く作成することは重要ですが、ユーザーのニーズや期待に応えられる記事を作成することが大切です。本来、企業におけるSEOでは、ビジネスの成果や目標を達成し、企業の成長や利益を増加させるためにプロジェクトをスタートしているはずです(個人では収益等でしょう)。しかし、どれだけ大量生産したとしても効果がなければ『その投資は無駄』になってしまいます。弊社でも『流入』や『クリック』は獲得できているのに、『CV率は非常に低い』というケースは隠れた失敗例の1つです。品質の高い記事は、検索エンジンからもユーザーからも評価されますし、ユーザーの満足度や信頼度を高められたら、リピートやシェアなどの行動につながります。そのため、大量生産を実施する場合であっても、基本となるユーザーのニーズに応えて品質を保つことは忘れないようにしてください。なお、一定の流入を獲得できているなら、リライトを実施してよりコンバージョンを高めていく次のステップに移ると良いでしょう。SERPsの重複は避けるそして、検索キーワードにおけるSERPsの重複も避けましょう。「SERPs」は「Search Engine Results Pages」の略語で、検索エンジンがユーザーのクエリ(検索語句)に基づいて返す結果のページを指します。例えば、GoogleやBingなどの検索エンジンで検索して表示される、一連のWebページのリストがSERPsです。SEOでは、SERPsが重複したコンテンツ(記事)は望ましくありません。なぜなら、同じ内容のページが複数存在すると、検索エンジンはどのページを優先してランク付けするか判断しにくくなるからです。実際に、弊社が調査して見つかったSERPsの重複例では、以下の安定しない順位が3つの記事で発生していました。オレンジ:検索順位ムラサキ:表示回数ミドリ:CTR(クリック率)アオ:クリック回数1枚目:順位向上と表示回数の増加、クリック率の低下2枚目:1枚目とトレードオフとなり順位・表示回数が低下したがクリック率は上昇3枚目:1・2枚目があることで順位・表示が不安定で順位が定まらないこのように、結果としていずれのページも十分な検索トラフィックを受け取れなくなる可能性があります。それぞれ検索キーワードに若干の違いはありますが、似たような構成と内容となっていました。SERPsの重複を避けるためにも、検索キーワードを設定する際に「どのように検索エンジンで表示されているか」のリサーチを徹底的に行いましょう。似たようなキーワードで違うユーザーにアプローチしたいなら、新しい角度や視点から独自性を持たせて内容を変える方法も有効です。ここからは、実際にSEOの記事を大量生産しようと考えている方に向けて、方法も紹介します。SEOの記事を大量生産する方法SEOの記事を大量生産する方法には、以下の2つがあります。社内で専用のチームを編成する一部またはすべて外部に委託するそして、どちらの方法にもメリットとデメリットがあります。自社で管理できるかどうか、コストや人材の確保ができるかどうかなど、自社の状況や目的に合わせて、最適な方法を選択する参考にしてください。社内で専用のチームを編成する社内で専用のチームを編成する方法は、以下のメリットがあります。SEOの記事を自社で管理できるサービスや商品に関する知識や情報を活用できる記事の品質や進捗状況を確認しやすいしかし、社内で専用のチームを編成する方法には、コストや人材の確保などのデメリットもあります。SEOの記事を大量生産するには、専門的なスキルや経験を持ったライターやエディターが必要です。また、SEOの記事は常に最新の情報やトレンドに対応しなければなりません。そのため、チームメンバーの教育や研修も必要となることがあるでしょう。こうしたコストや人材の確保は、社内で行う場合には大きな負担となります。したがって、社内で専用のチームを編成する方法は、自社で管理できるというメリットがありますが、コストや人材の確保などのデメリットも考慮しなければなりません。一部またはすべて外部に委託する一部またはすべて外部に委託する方法には、コストや人材の確保などの問題を解決できるというメリットがあります。専門的なスキルや経験を持ったライターやエディターを探す必要がありま戦士、教育や研修などの費用もかかりません。しかし、社内で専用チームを作るメリットがそのままデメリットとして残ります。自社で管理できないサービスや商品に関する知識や情報を伝えることが難しい品質や進捗状況を確認することも難しいよく費用に関してもお問い合わせいただきますが、外部委託のコンサルや制作費などは上下し、専用チームは採用や人件費が一定数かかります。そのため、費用対効果はどちらが高いのか、どういう形式なら効率よく、高品質な記事を生産できるかを考えて決める必要があるでしょう。SEOの外部委託は適切な手段で”価値”を届ける選択肢の1つGoogleの公式で挙げられている、「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」には、多くの知識と経験が必要となります。そのため、専門性と効率性を高めながら記事を大量に生産するために、外部委託の選択肢が挙げられます。確かに、一定の費用やコミュニケーションコストは必要です。そして、ただ委託するだけでは、コンサルから提案にいたるまでの間にコストがかかりすぎてしまい、本当に費用対効果が高いものなのかもわからなくなることさえあります。そのため、SEOの外部委託は、適切な手段で”価値”を届ける選択肢の1つとしてあるべきだと弊社は考えています。専門的な知識と技術を有し、お客様と伴走することで高品質な記事を効率よく作成できるからです。そのため、弊社では今回のように大量生産の戦略がマッチしているかや、そもそもどう進めるべきかという時点のお悩み相談から無料でお受けしています。また、「ユーザーのための価値の提供」を主軸とし、領域に合わせた方法で構成から執筆まで(執筆のみ)にも対応可能です。加えて、AIを用いた品質を担保しながら大量生産する方法や、小規模スタートからグロースに合わせた拡充も承っております。まずは、お気軽にお問い合わせください。まとめ記事の大量生産は、SEOにとってメリットとデメリットがあります。一方で、重複や被リンクの増加、ユーザーの満足度の低下などの影響も考慮する必要があります。そのため、記事の大量生産を行う際には、以下のポイントに注意してください。ユーザーのニーズに応えて品質を保つSERPsの重複を避けるまた、記事の大量生産には社内でチームを編成する方法や外部に委託する方法があります。それぞれにメリットとデメリットがあり、自社の状況や目的に応じて最適な方法を選択する必要があるでしょう。SEO記事の大量生産に関するFAQAIでSEOの記事を大量生産する方法は役立つ?AIを使用してSEOの記事を大量生産する方法は、効果的な手段の1つとして役立つことがあります。そのため、一定の効果が期待できますが、常に人間の判断や編集が必要で品質には注意が必要です。適切に活用し、クオリティーの高いコンテンツを提供することを心がけましょう。ブログ記事を自動生成かつ無料で生産するには?ブログ記事を自動生成かつ無料で生産するには、GPT-3で作るしかないと言えます。無料で利用でき、ブログ記事やSEO記事などのさまざまなジャンルのテキストを作成可能です。ただし、精度においてはまだまだ課題があります。チャットGPTで記事を大量生産する危険性は?チャットGPTで記事を大量生産する危険性は、信頼性や倫理性の低下です。例えば、記事として必要な情報や根拠を欠くことが多いですし、誤った情報や偏った見解を流布する可能性もあります。本記事でも触れた、品質においてもイマイチなことがあるでしょう。