中小企業がネット広告をやるべきかは、予算の大きさや社内の人手では決まりません。判断すべきは、サイトやLP(広告からの訪問者が最初に見る、成果につなげるための単体ページ)という受け皿が機能しているかです。
ネット広告を検討する際、経営者はまず予算や人員体制への不安を口にします。「うちのような小さな会社でもネット広告をやる意味があるのか」「広告担当を置く余裕がないのにはじめて大丈夫か」といった声です。ただし、実際に成果を左右するポイントは別のところにあるのです。
今回は、ネット広告をはじめる前に確認すべき基準と、受け皿が整っていない場合にとれる進め方について解説します。
この記事でわかること
- 中小企業がネット広告をやるべきかは、予算や人手ではなく「受け皿」と「期待値」で判断できること
- サイトやLPの導線が整っていないと、広告費をかけても問い合わせにつながらない理由
- 受け皿が整っていなくても、小さく配信しながら整えていく進め方があること
- ネット広告をはじめる前に、自社の何を確認すれば良いかの具体的な基準
中小企業のネット広告はサイトの受け皿で決まる

中小企業のネット広告の成果は、広告の巧拙より先にサイトやLPという受け皿で決まります。広告担当の有無や予算の規模は、成果を左右する本質ではありません。広告をどれだけ配信しても、遷移した先の受け皿が機能していなければ成果は生まれません。
中小企業のデジタル化の取り組みを見ても、経営やビジネスモデルの変革まで踏み込めている企業はごく一部です※1。サイトやLPという受け皿の整備は、広告よりも前に済ませておくべき土台です。この考え方を踏まえると、まず見直すべきは社内の体制ではないとわかります。
社内に広告担当を置く必要はない
ネット広告をはじめるにあたって、社内に広告担当者を置く必要は基本的にありません。弊社(MOCO Works)にご相談いただく場合、最初のヒアリングさえしていただければ十分です。
広告文の作成から配信設定、日々の運用改善まで、すべてこちらで巻き取ります。中小企業の経営者やスタッフの方が広告運用のノウハウを一から学ぶ必要はなく、本業に集中していただけます。
社内の人手を心配して相談をためらう方もいらっしゃいますが、確認すべきは社内の体制ではなく、受け皿の状態です。
予算や人手より広告の受け皿を先に見るべき3つの理由

広告の受け皿を予算や人手より先に確認すべきなのは、受け皿が整っていない状態で広告を出しても、成果に結びつかないまま費用だけがかさむからです。その理由は、次の3つの観点に整理できます。
広告を出しても導線がなければ問い合わせにつながらないから
サイトやLPに問い合わせや申込みへの導線がなければ、広告からアクセスを集めても成果にはつながりません。広告はあくまでサイトやLPへの入り口であり、そこから先の受け皿が機能してはじめて問い合わせや申込みという成果に変わります。ボタンの配置がわかりにくい、電話番号が探しにくいといった小さなつまずき1つで、ユーザーは離脱してしまうのです。
広告への期待値のズレが成果不足を招くから
広告主が期待する成果と、実際にユーザーが求めている情報がずれていると、広告を配信しても成果にはつながりません。自社の強みや実績を前面に伝えることだけを意識すると、ユーザーが求める情報とのズレに気づきにくくなります。
しかし、ユーザーが実際に知りたいのは、サービスの中身や対応できる範囲といった実務的な情報である場合があります。このズレに気づかないまま広告を出稿すると、アクセスは増えても成果には結びつかないのです。例えば、代表者の実績を前面に打ち出したLPであっても、閲覧者が実務面の情報を探していれば離脱につながります。
最初の1〜3か月は学習期間で成果が読みにくいから
ネット広告は配信をはじめてから1〜3か月程度、成果が安定しにくい学習期間があります。広告を出せばすぐに問い合わせが増えると考えられやすいですが、実際には配信システムが最適なユーザー層を学習する期間が必要です。
この期間は成果が読みにくく、数字だけを見て「効果がない」と判断してしまうと、本来得られたはずの成果を逃すことになります。例えば、配信開始から1か月ほどで問い合わせがまだ少ないからと予算を大きく削ってしまうとします。
すると、進みかけていた学習までリセットされ、かえって成果が出るまでの時間が延びかねません。この期間があることを前提に予算や体制を考えておくと、途中で不安になって広告を止めてしまう事態を避けられます。
ネット広告をはじめる前に確認したい2つの点

ネット広告をはじめる前に確認しておきたいのは、自社の現状が広告費に見合う成果を出せる状態かです。次の2つの視点から確認します。
公式サイトやLPの導線が機能しているか
まず確認すべきは、公式サイトやLPが問い合わせや申込みにつながる導線になっているかです。従業員100人以上の企業を対象にした総務省の調査があります※2。そこでは、自社のホームページを開設している企業の割合が93.2%に達していました。
ホームページを持つこと自体は、すでに一般的になっているといえます。
ただし、開設している事実と、問い合わせにつながる導線として機能していることは別の話です。来店を前提とせず、その場で申込みや購入に直結させたい業種では、LPが無いと広告費をかけても運用できません。公式サイトの情報が古い、または更新されていない場合も同様です。
広告に何を期待するかが明確になっているか
もう1つ確認したいのが、広告に何を期待しているかが自らのなかで明確になっているかです。広告への期待は、主に次の3つに分かれます。
- 問い合わせ件数を増やしたい
- 採用の応募を集めたい
- 認知を広げたい
どれを期待するかによって、適した広告の出し方や成果の見え方は変わります。期待がはっきりしないままはじめると、後になって「思っていたのと違う」というズレが生まれやすくなるのです。
受け皿が整っていない中小企業がとれる2つの進め方
受け皿が整っていない場合でも、自社の課題がどこまで明確になっているかに応じて選べる進め方が2つあります。それぞれどのような中小企業に向いているか、順に説明します。
| 進め方 | 向いているなか小企業 | メリット |
|---|---|---|
| サイトやLPを整えてから広告をはじめる | 商品・サービスの魅力を十分に伝えられていない自覚がある会社 | 成果が出やすい状態から配信をはじめられる |
| 小さく配信して問題点を可視化してから直す | どこに課題があるか自分たちでは把握しきれていない会社 | 実際のデータをもとに、優先して直すべき箇所がわかる |
どちらを選ぶかは、自社の課題がどの程度明確になっているかによって変わります。
サイトやLPを整えてから広告をはじめる
商品やサービスの魅力を伝えきれていない自覚があるなか小企業には、サイトやLPを整えてから広告をはじめる進め方が向いています。実際に、広告の訴求文言やCTA(問い合わせや申込みを促すボタン等の誘導)の配置を整理してから配信をはじめました。そこから、予約の獲得につながったケースもあります。
小さく広告を配信して問題点を可視化してから直す
どこに課題があるか自分たちで把握しきれていない中小企業には、小さく広告を配信して可視化してから直す進め方が向いています。いきなりサイトやLPの大規模な改修からはじめる必要はありません。「どのページで離脱が多いか」を実際のデータで可視化してから直すという順番も選べるのです。
以前、問い合わせに直結するページ以外への離脱が目立ち、成果につながっていなかった案件がありました。ページの内容がユーザーの求める情報を満たせていないことが要因と分析し、修正後に配信を再開しています。再開からまだ日が浅く、定量的な結果はこれから見えてくる段階です。

中小企業のネット広告でよくある3つのつまずき

中小企業のネット広告でつまずきやすいのは、サイトやLPの状態や予算感への理解を後回しにしたまま配信をはじめてしまうケースです。具体的には、次の3つのケースに分けられます。
社長の権威性を前面に出したLPで成果が出なかった実例
以前、社長ご自身の権威性を前面に出したデザインのLPで広告を配信したものの、成果につながらなかった実例があります。約30万円分を配信しましたが、問い合わせは一件も発生しませんでした。原因は、会社側が発信したい情報とユーザーが実際に知りたい情報のズレでした。
会社側は代表の実績や権威性を伝えたいと考えていました。しかし、ユーザーが見ていたのは、提供されるサポートの内容や対応できる業種といった実務的な情報でした。このLPは最終的に閉鎖に至っています。
この事例からわかるのは、発信したい情報と求められている情報がずれていると、どれだけ広告費をかけても成果にはつながらないということです。
古いサイトのまま広告だけを増やしても効果は出ない
サイトの情報が古いまま広告費だけを増やしても、成果は改善しません。古いホームページを使い続けているクライアント様から、実際にご相談をいただいたことがあります。
その際は、広告を出す前にまずサイトのリニューアルを進めることをご提案しました。ほかの業種でも、サイトの動線が古い、または情報が整理されていないケースでは同様の判断をしています。
広告は入り口を作る役割しか果たせません。入り口の先が古いままでは、せっかく集めたアクセスをそのまま逃してしまいます。
100円からでも出せるという誤解で表示すらされない
「広告は100円からでも出せる」という情報だけを頼りにはじめると、実際には表示すらされないまま終わってしまいます。Google広告などは確かに100円からでも配信を設定できます。
ただし、その金額ではほとんどの場合、広告がユーザーの目に触れる回数(表示回数)自体が少なく、成果にはつながりません。弊社でご相談いただく際は、5万円前後からのご予算ではじめ、様子を見ながら徐々に増やしていくご提案をしています。
広告の相談で最初に聞かれる2つの質問

ネット広告のご相談をいただいた際、弊社が最初にうかがうのは、一般的に気にされがちな予算や人手ではなく、相談に至った理由と期待している内容です。次の2つの問いを通じてすり合わせます。
なぜ今広告を出そうと思ったか
最初にうかがうのは、なぜ今このタイミングで広告を出そうと思ったのか、そのきっかけです。問い合わせの減少や競合の動き、新サービスの開始など、事業環境の変化が引き金になるケースが考えられます。
きっかけが異なれば、適した広告の出し方や優先すべき指標も変わるでしょう。「なんとなく周りがやっているから」という理由だけではじめると、判断基準が曖昧なまま配信を続けます。
相談の場で期待値のズレをすり合わせる
もう1つうかがうのは、経営者ご自身の言葉でそのまま聞き取った期待を、その場で認識のズレがないかすり合わせることです。事前にどれだけ考えていても、対話を通してはじめて見えてくるズレがあるため、ヒアリングの場での確認を欠かしません。ここを最初にすり合わせておけば、配信をはじめた後に「思っていた成果と違う」というズレを防げるのです。
ネット広告をはじめるか迷ったらMOCO Worksに相談する
広告主が発信したい情報と、ユーザーが求めている情報は往々にしてズレます。この視点を自分たちだけで持ち続けるのは難しいものです。だからこそ、広告の配信だけでなく、成果の出るLPを作るためのヒアリングまで任せられる相手に依頼する価値があると私は考えています。
中小企業のネット広告をはじめるべきか迷ったら、まずは弊社MOCO Worksにご相談ください。契約前のヒアリングだけでもお受けできますし、そもそも広告をはじめる土台が整っているかも一緒に確認できます。