リスティング広告の費用相場は、業種によって数万円台から数百万円台まで異なります。相場を調べても幅のある数字しか出てこず、自社にとって適正な金額がいくらなのか判断がつかない方も多いのではないでしょうか。

今回は、業種によって費用が変わる理由と、月5万円で運用した際に実際にかかったクリック単価のデータを解説します。あわせて、料金体系の内訳や、少額予算ではじめる際に確認しておきたいポイントまで紹介します。

この記事でわかること

  • リスティング広告の費用相場が業種によって異なる理由
  • クリック課金(CPC)の仕組みと単価を左右する要因
  • 月5万円で運用した際に実際にかかったクリック単価の実例
  • 少額予算ではじめる前に確認しておきたいポイント

リスティング広告の費用相場は業種で大きく変わる

リスティング広告の費用相場は、業種によって月数万円から月数百万円まで幅があります。

不動産のように1件あたりの成約単価が大きい業種と、来店・来院型で単価がそこまで大きくない業種とでは、リスティング広告に投じられる予算のレンジそのものが異なります。

業種 予算相場(月額)
不動産 30万〜100万円
来店・来院型の小規模事業 5万〜200万円

同じ「リスティング広告」という手法でも、業種によって前提となる予算感がまったく違うのが実情です。

国内のインターネット広告市場自体も拡大を続けており、2024年の市場規模は3兆6,517億円に達しています※1。企業の広告予算配分は、テレビ等のマス媒体からインターネットへとシフトが進んでいます。

業種別のリスティング広告費用相場の幅を示す比較インフォグラフィック

リスティング広告の費用が業種で異なる3つの理由

リスティング広告の費用が業種で異なる3つの理由を示す図解

業種によって費用が変わるのは、単純な相場ではなく、業種ごとのビジネス構造そのものが費用感を決めているためです。以下の3つの観点から確認します。

業種によって投じられる予算の目安が違う

業種ごとに「これくらいまでなら出せる」という予算の目安そのものが異なります。

不動産のように1件の成約単価が大きい業種では、予算枠を投じる判断がされやすいでしょう。一方、来店・来院1件あたりの単価がそこまで大きくない業種では、希望予算が抑えめになる傾向にあります。この予算感の違いが、そのまま費用相場の幅として現れます。

商材の価格帯が広告費の上限を左右する

商材やサービスの価格帯が高いほど、広告費に投じられる上限も大きくなります。

1件の成約で得られる利益が大きければ、その分クリック単価が多少高くても採算が取れるため、広告費を積み増す判断がしやすいでしょう。反対に、単価が低い商材では、広告費が利益を圧迫しないよう慎重に予算を設定する必要があります。

競合の多さがクリック単価を押し上げる

同じキーワードに広告を出す競合が多いほど、入札の競争が激しくなり、クリック単価そのものが上がる仕組みです。

全国展開のように地域を絞らない場合や、競合が多い領域では、最適化前のクリック単価が600円程度まで上がるケースもあります。場合によっては、それ以上に跳ね上がることもあります。同じ業種でも、地域の競合状況によって費用感は変わってきます。

リスティング広告の費用はクリック課金で決まる

リスティング広告の費用は、広告が表示された回数ではなく、クリックされた回数に応じて発生するクリック課金(CPC)方式で決まります。以下の3点から仕組みを確認します。

クリック課金(CPC)の基本的な仕組み

リスティング広告は、検索結果に表示されるだけでは費用が発生せず、ユーザーが広告をクリックした時点ではじめて費用が発生します。

表示回数(インプレッション)そのものは無料であるため、興味を持たれずクリックされなかった広告には費用がかかりません。この仕組みにより、広告主は反応があった分だけ費用を支払う形になります。

入札額・品質スコアが単価を左右する

クリック単価は、キーワードごとの入札額に加えて、広告の品質スコアによっても変わります。品質スコア(用語:広告文とページの内容が検索意図に合っているかを示す指標)が高いほど、同じ掲載順位でもクリック単価を抑えられます。

反対に、広告文とランディングページの内容が検索意図とずれている場合、品質スコアは下がる仕組みです。その場合、同じ順位を維持するために、より高い入札額が必要です。

エリア・マッチタイプの絞り込みで単価は変えられる

クリック単価を左右する主なレバーは、配信エリアの絞り込みとマッチタイプ(用語:検索されたキーワードと広告を紐づける範囲の設定)の調整です。

エリアを絞らず全国に配信したり、マッチタイプを広めに設定したりすると、競合との入札が重なりやすくなり単価が上がります。反対に、対応できる範囲までエリアを絞り込み、狙いたい検索意図に近いマッチタイプに調整することで、単価を抑えた運用がしやすくなります。

月5万円のリスティング広告で実際にかかった費用

月5万円ほどの予算で運用しているクライアントの実績を確認すると、実際のクリック単価は108円〜441円程度に収まっていました。想定されていた金額感と実績データを比べると、以下のとおり差があります。

項目 クリック単価の目安
運用前に想定されていた体感 300〜600円程度
実際の運用データ(複数クライアント・月5〜10万円クラス) 108円〜441円程度

この差がなぜ生まれるのか、想定・実績・推移の3つの観点から確認します。

想定されていたクリック単価の目安

月5万円クラスの予算を検討する際、クリック単価は300〜600円くらいになるのではないか、という体感を持たれる方が多い印象です。

この体感自体は、競合が多い業種や絞り込みをしていない配信では十分にあり得る水準です。ただし、これはあくまで最適化前の目安であり、実際の運用データとは差が出るケースもあります。

実際の運用データで見えたクリック単価

複数クライアントの月5〜10万円クラスの運用データを確認したところ、実際のクリック単価は108円〜441円程度に収まっていました。体感の目安よりも低く出ていたことになります。

ただし、この実績値はエリア・マッチタイプの調整が進み、かなり効率化されたアカウントの数字である点には注意が必要です。たまたまその条件で5万円という予算でも成立しているだけであり、同じ業種・同じ予算であればだれでも必ずこの水準になるとは限りません。

運用期間が経ってもクリック単価は横ばいだった理由

2社の半年〜1年分の月次データを確認したところ、クリック単価は運用初期から大きく下がることはありませんでした。期間を通じて、比較的横ばいで推移しています。変動が大きかったのは、クリック単価よりもむしろ予算の消化額のほうです。

横ばいで推移していた背景には、エリアとマッチタイプをはじめから絞り込んで配信していたという事情があります。単価を下げる調整の余地をあらかじめ使い切っていたぶん、運用期間が長くなっても単価そのものは大きく動かなかったと考えられます。

リスティング広告の料金体系は2つの費用で決まる

リスティング広告にかかる料金は、広告費用そのものだけでなく、複数の費用要素の組み合わせで決まります。以下の2つの観点から確認します。

初期費用はアカウント設計費として発生する

初期費用は、配信をはじめるまでの準備作業にかかる費用として発生します。具体的には、以下の作業を含みます。

  • アカウント開設
  • キーワード選定
  • 入札戦略の設計

一般的には、初期費用として3万円前後を設定している代理店が多い印象です。弊社の場合は広告費自体が少額なクライアントが多いため、アカウント設計費として初期費用約5万円を設定しています。Googleに加えてYahoo!広告も合わせて開設する場合は、割引価格(例:2.5万円)を適用します。

運用代行手数料は広告費の15〜20%が目安

運用代行手数料は、広告費に対して15〜20%程度が目安です。

弊社の料金設定も、基本は広告費の20%からスタートします。長く運用を継続しているクライアントについては、18%や15%まで手数料を下げる場合があります。どのくらいの期間・条件で手数料が下がるかは一律には定めておらず、クライアントごとの状況に応じた個別判断です。

リスティング広告の料金体系(初期費用と運用代行手数料)の内訳を示す図解

リスティング広告は少額予算でもはじめられる

5万円程度の予算感であっても、リスティング広告をはじめること自体は可能です。ただしはじめる前に、以下の3点は確認しておく必要があります。

5万円クラスの実例からわかる再現性の限界

「うちの予算では無理ではないか」という不安に対しては、5万円クラスでも実績が出ている事例をお見せしながら説明しています。事例には、匿名化した実際の配信データや獲得件数を用います。

ただし、それと同時に必ずお伝えしているのがリスクです。見せている数値はあくまで参考値・希望値であり、100%同じ効果が再現される保証はありません。地域だけでなく立地等の条件によっても結果は変わるため、事例をそのまま自社に当てはめて期待しすぎないことが大切です。

事前に確認しておきたい地域の競合状況

始める前には、配信予定エリアの競合状況を確認しておく必要があります。

周辺の競合がすでに広告を多く出している場合、月5万円という予算では太刀打ちできないケースもあります。私たちはこうした状況を事前に調査したうえで、その予算で見込める結果をお伝えしています。

始める前に試算しておきたい期待できるCV数

広告を打つ前には、必ず期待できるCV(コンバージョン)数を試算してから共有するようにしています。

予算だけを決めて配信をはじめてしまうと、想定していた成果と実際の結果にギャップが生まれやすくなるでしょう。事前に試算したCV数を共有しておけば、始めたあとの評価軸がぶれずに済みます。

リスティング広告の費用は相談してから決めればいい

リスティング広告の費用は、相場の数字だけで判断するのではなく、まず相談してから決めれば十分です。

経営者の方に一番伝えたいのは、予算の大きさにとらわれる前に、まず相談してほしいということです。リスティング広告は比較的速効性が期待できる手法であるため、予算を積めない場合でも、その予算内でいける方法が見つかるケースもあります。

リスティング広告の費用について無料で相談できます

リスティング広告の費用感に不安がある方は、まず現状の予算感を聞かせてください。業種や商材、配信エリアの競合状況を踏まえたうえで、期待できるCV数を試算し、無理のない予算での始め方を一緒に考えます。

参考・出典情報