SEOとは、見込み客に自社を知ってもらうための情報発信であり、検索順位を上げるための技術だけを指す言葉ではありません。何から手をつければいいのか分からない、そもそも自社に必要なのかも判断できない。そう感じて動けずにいる方は少なくありません。

この記事では、SEOの本当の意味から、何もしていない状態からまず着手すべき棚卸しの手順まで解説します。

この記事でわかること

  • SEOが検索順位対策ではなく情報発信そのものだと分かる
  • サイトとブログという性質の異なる2つの土台の違いが分かる
  • 戦略なきSEOがなぜ失敗するか、実例から分かる
  • 何もしていない状態からまず着手すべき棚卸しの手順が分かる

SEOとは見込み客に届く情報発信のこと

SEOが検索順位対策ではなく情報発信であることを示す図

SEOの本質は、検索順位を上げるための小手先の技術ではなく、見込み客に自社の存在を知ってもらうための情報発信活動です。Googleも検索エンジン最適化を「検索エンジンにコンテンツを理解させることで、ユーザーが検索エンジンからサイトを見つけてアクセスすべきかを判断できるようにする」取り組みと説明しています※1

私たちは、SEOを見込み客に向けた情報発信そのものだと捉えています。最近はこの性質がさらに強まっており、SNSに近い側面も持ち始めています。AIが検索の回答のなかでコンテンツを要約し、そのまま届けるようになったためです。

日本国内では、AI Overview(検索結果の上部に表示されるAIによる要約)が全体のクエリの63.5%で表示されているという計測結果もあります※2。順位対策だけを目的にすると、この変化には対応できません。

観点 検索順位対策と捉えた場合 情報発信と捉えた場合
目的 順位を上げること自体が目標になる 見込み客に自社を知ってもらうことが目標になる
表示された後 読まれるか・CVするかを見落としがち 読者にとっての価値を軸に内容を組み立てる
AI時代への対応 要約・引用のされ方には対応できない 情報発信の質を高めることで要約・引用にも耐えうる

SEOを検索順位対策だけと捉えると失敗する

検索順位を上げることだけを目的にすると、成果につながらないまま終わることが多いです。ページが表示されても読まれない場合と、読まれてもお問い合わせや購入(CV:コンバージョン)に至らない場合の、両方が起きるためです。

順位や表示回数といった数字だけを見ていると、この2つのつまずきに気づきにくくなります。実際に、こうした状態のまま時間だけが過ぎてしまった実例があります。

14万PV集めても成果につながらなかった実例

実際に、月間14万PV・クリック762件を集めながら、成果にほとんどつながらなかった実例があります。CVR(コンバージョン率:訪問者のうち成果に至った割合)は約2%、平均掲載順位は7位前後でした。

一般的なキーワードを狙って記事を増やしたものの、そこに自社ならではの視点がありませんでした。加えて、内部にある一次情報を十分に引き出せず、競合と比べたユニークな点も明確になりませんでした。結局、そのテーマで名前が知られるようになったのは競合の方でした。

見られても、導線がなければ成果にはつながりません。本来先に決めるべきだったのは、どう売りたいかという戦略でした。記事を書き始める前に、その一歩が欠けていたのです。

SEOには「サイト」と「ブログ」2つの土台がある

サイトコンテンツとブログの関係を木にたとえた図

SEOには、サイト本体のコンテンツとブログという、性質の異なる2つの土台があります。この2つの違いを、以下の観点で整理します。

幹となるサイトコンテンツと枝であるブログの違い

サイトコンテンツとブログは、木にたとえると幹と枝の関係にあります。幹であるサイトコンテンツが自社の事業内容やサービスを直接伝える土台であるのに対し、枝であるブログはそこから生まれる疑問に答える役割を持ちます。

項目 サイトコンテンツ(幹) ブログ(枝)
役割 自社の事業・サービスを直接伝える土台 サイトから生まれる疑問に答える
内容の例 事業内容・サービス詳細・実績紹介 「〜とは」形式の解説記事
着手の順番 最初に整える 土台が整ってから伸ばす

幹が整っていないうちに枝ばかり伸ばそうとすると、本来サイトコンテンツとして用意すべき内容を、「〜とは」のようなブログ記事として書いてしまうことがあります。土台の順番を間違えると、幹を後回しにしたまま枝だけを増やすことになります。

古いサイトのままではじめてしまう2つの落とし穴

サイトを直さないままブログだけ始めると、成果につながりにくい落とし穴が2つあります。1つ目は、HTTPS化(用語:通信を暗号化してセキュリティを高める仕組み)がされていない古いサイトを、そのまま使い続けているケースです。

2つ目は、レイアウトが古く、新しいお客様に響かないデザインのまま運用しているケースです。HTTPS未対応はブラウザの警告表示や検索エンジンからの信頼性評価の低下を招き、古いレイアウトは新しいお客様の離脱を招きます。

以前と比べれば減ってきているものの、こうした古いままの運営は今も実在します。ブログを何本増やしても、この土台の古さがボトルネックになったままでは効果が出にくくなります。

SEOをはじめる前にやるべき棚卸しの3ステップ

SEOをはじめる前に必要なのは、記事を書くことではなく自社の現状を棚卸しすることです。棚卸しは、以下の3つのステップで進めます。

将来と現在の理想像を言葉にする

最初のステップは、将来と現在、両方の理想像を言葉にすることです。私たちが診断をする際も、まず「どうなりたいか」を将来と現在の両方の視点から聞くところからはじめます。

理想像を先に言葉にしておけば、次のステップで見るべき基準がはっきりします。ここが曖昧なままだと、後の優先順位づけも的が絞れなくなります。

理想と現状のギャップを洗い出す

次に、描いた理想像と今の状態との間にあるギャップを洗い出します。サイトの内容が古い、伝えたい情報が足りていない、といった差分を具体的に言葉にする段階です。

ギャップは、感覚ではなく1つずつ書き出して確認します。ここで見つかった差分が、次のステップで着手する対象になります。

ギャップから優先順位をつけて着手する

最後に、洗い出したギャップのなかから優先順位をつけて着手します。すべてを一度にやろうとせず、足りないものから順番に手を打つのが基本です。

サイトの土台に関わる差分が大きい場合は、ブログより先にそちらへ着手することもあります。優先順位をつけて進めれば、限られた時間や予算を無駄にしません。

SEOを始める前の棚卸し3ステップを示すフロー図

戦略なきSEOは始める前から失敗している

戦略を決めないままはじめるSEOは、着手した時点で失敗が決まっています。14万PVを集めながら成果につながらなかった実例が示すのは、記事の本数や順位そのものではなく、戦略の有無が結果をわけるという事実です。

どう売りたいか、だれに何を伝えたいかを決めないまま記事を増やしても、競合との違いは生まれません。SEOのファーストステップは、現状の棚卸しと戦略の決定です。この順番を飛ばして記事作りからはじめると、遠回りになりやすくなります。

自社のSEOの現在地を知りたくなったら?

SEOとは、自社の現在地を知ることからしか始まりません。まず記事を増やすことより先に、サイトの現状と理想のギャップを一緒に確認することをおすすめします。

私たちは、丸投げで記事を受注するのではなく、お客様にとっての情報源になることを大切にしています。話を聞かせていただくだけでも構いません。

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参考・出典情報